御神鏡

古代日本では貴重品とされていた鏡ですが、神棚の御神鏡は、どのような意味でお祀りされているのでしょうか。

御神鏡の起源をたどると、太陽神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)に行き着きます。

鏡は、日の光を反射し輝くため、太陽の象徴として扱われるためです。

日本神話においても、天照大御神が天の岩屋戸に隠れた際に、その姿を映したと言われています。

天照大御神を御祭神とする伊勢神宮では、このときに使用された八咫鏡(やたのかがみ)を御神体として安置しています。

神棚の中央に納める御神札も、伊勢神宮の神宮大麻ですね。

神棚に御神鏡をお祀りすることは、天照大御神をお祀りすることに繋がるのです。

御神鏡を祀ることの意味

御神鏡

神棚にお祀りする神具は、いろいろありますが、その中でも大きな意味を持つものが御神鏡です。

宮形の扉の前には、必ずと言っていいほど設置されています。

御神鏡には、神様の依代としての役割の他に、私たち自身の心の姿を映し出すという意味があります。

御神鏡に映し出される自分は、どのような心構えで神様と向き合っているのか、己をかえりみる機会を与えてくれているのです。

日々の拝礼で、恥ずかしくない心構えで神様と向き合えているのか、御神鏡を通して自分を見つめ直していきたいものです。

心の曇りは、御神鏡の曇りとして表れるかもしれません。

真摯な気持ちで、一点の曇りもない御神鏡を見つめることができるよう気をつけましょう。

御神鏡のお手入れ

神鏡御神鏡のお手入れは、定期的にしっかりと行っておきたいものです。

神様の依代であり、私たち自身の姿を映し出すものですから、曇っていては大変です。

頻度としては、1ヶ月に1回ほどが理想です。

お手入れをさせていただく旨を神棚に奉上してから始めてください。

まず、雲形台から鏡部分をはずし、手洗いをします。

中性洗剤をよく泡立てて、傷がつかないよう優しく扱ってください。

流水ですすいだ後は、ネル素材やカーゼなどの柔らかい布で、強くこすらないよう丁寧に拭いていきます。

雲形台は、固く絞った布巾で拭いた後、乾拭きをして水分を取り除いておきましょう。

木材でできているため、しっかりと乾かしておく必要があります。