榊は、遥か昔から神木として神事に用いられてきました。
神域と人間社会との境を示す「堺木(さかいき)」が転じて名前となったと言われていますが、諸説あります。
神棚にお祀りする場合は、榊立てに1対準備し、左右に置くようにしましょう。
毎日水を交換し、榊も枯れる前に取り替えてください。
新しい榊と取り替える時期は、各家庭によって異なりますが、毎月の1日と15日に交換することが多いようです。
これは、神社の月次祭(つきなみさい)という祭礼に倣ったものです。
榊には「本榊(ほんさかき)」と「姫榊(ひさかき)」の2つがあります。
本榊を祀るのは主に関西で、姫榊は関東でよく使用されます。
関東地方から北では本榊が育たないため、姫榊を代わりに祀ってきたと言われています。
一般の榊
神棚には、神様の依代として榊を祀ります。
地域によって、本榊か姫榊かの違いはありますが、一般的な榊を使用します。
ただし、荒神様の神棚に祀る場合と、お正月の神棚に祀る場合には、専用の飾りをほどこす必要があります。
今では造花の榊もありますが、神棚に生きていない植物をお供えすることは良くありません。
榊は飾りではないので、植物の生きている気が大切なのです。
本榊が手に入らない場合は定期便がおすすめですが、取替の頻度を頻繁に行わないために造花ではなく、ブリザーブド榊というものもあります。
荒神松
荒神様は、他の氏神様とは違う、専用の神棚にお祀りされます。
火の神様、竈の神様ともいわれるように、主に台所に安置される神棚には、「荒神松」と呼ばれる榊を祀ります。
一般の榊との違いは、榊に松を3本足したものであるという点です。
「三宝さん」という呼ばれ方もします。
こちらも通常の榊同様に生きた葉をおすすめしますが、手に入らない場合はブリザーブド荒神松もありますのでお好みでどうぞ。
また、荒神様の榊立ては形状が違いますのでご注意ください。
お正月の榊
お正月用に榊には、慶事を象徴する「松竹梅」が加えられることがあります。
地域によって異なることがあるようですが、松や竹の葉、梅の枝を榊に足して神棚に祀ります。
松が足されている場合、荒神松と間違えてしまいそうですが、お正月用は松が1本であることが多いので、本数で区別しましょう。
神棚に祀る榊とは まとめ
神棚のお供えに欠かせない榊ですが、さまざまな種類があります。
一般的な榊、荒神様用、お正月用と区別しておきましょう。
ちなみに、真榊(まさかき)と呼ばれるものもありますが、榊の枝のことではなく五色の絹がついた神具となるので注意してください。