神饌

神棚へのお供え物は、神饌(しんせん)と呼ばれ、神様へと献上する食事にあたります。

食事は毎日とるものですから、お供え物も献上する必要があります。

神饌は「日供(にっく)」と呼ばれ、神社では、毎朝神饌を献上するための「日供祭(にっくさい)というお祭りが行われています。

では、神棚には、どのような品をお供えすれば良いのでしょうか。

神様へのお食事ですから、何か特別な謂れのあるものを準備した方が良いのでしょうか。

お供えのための品と、その作法について確認していきましょう。

お供えをするタイミング

日供祭

お供えは、毎朝おこないます。神様が優先されますので、食事をする前に、献上するようにしましょう。

パジャマ姿ではなく、服装を軽く正してから行なうと良いですね。

榊立ての水を取り替え、燈明に灯りもともしておきましょう。

お供え物には、毎日準備する方が良い品と、お祝い事などの特別な日に献上する方が良い品があります。

「米・塩・水」の三品は、基本的に毎日用意します。

特別な日には、お酒やお菓子、野菜や果物といった品を献上します。

また、初鰹といった季節の初物が手に入ったときや、いただき物などがあったときには、まず神様にお供えしてから家族でいただくと良いでしょう。

基本のお供え物は三つ

基本的に、毎日お供えするのは「米・塩・水」の三つです。

日本は、昔から稲作が中心であったため、米は何よりも大事な捧げ物となります。

昔から、その年の初めて実りを神社にお供えする習慣もありました。

神社に納める表書きに「初穂料」と書くのは、その名残とも言えます。

また、塩や水も、私たちが生きていくうえで無くてはならないものです。

神様のお食事と、私たちの生活には、密接な関係があるのです。

お供え物を並べる順番

神饌基本のお供え物である三品には、それぞれ並べる順番があります。

「米・塩・水」の順に重要になるので注意しましょう。

重要度が高い品から順に、神様の近くに配置していくようにします。

この場合、一番近くに米を置き、遠い場所には水を置くことになります。

酒を供える場合は、米に続いて大事な品となるため、2番目に近い場所に並べてください。

神棚を初めてお祀りする際は、すべての品を献上することが難しい場合もあります。

まだ不慣れなうちは、1品だけを準備することから始めて、徐々に品数を増やすという方法も可能です。

毎日のお供えが難しい場合は

神様へのお供え物は、基本的には毎日おこなうのが正しい作法です。

神社でも、お供えの献上は毎日おこなわれています。

神様へのお食事ですから、忘れることはできません。

しかし、仕事に日々忙しく追われる現代では、毎日のお供えが難しい場合もあります。

また、神棚の安置場所は、高いところになることが多いため、手軽に取り替えることができない場合もあります。

事情があって毎日のお供えができない場合は、水だけを交換するにとどめておくこともできます。

その他の品については、毎月の1日や15日といった、特定の日に取り替えるようにするのです。

それぞれの職場や家庭で、お供えを交換するためのルールを設けると良いでしょう。

ただし、一旦決めたルールは、必ず守るようにしてください。

神棚から下げたお供えは、全員でいただくと良いでしょう。

「お下がり」と呼ばれる作法になります。

お供えをしたことで、それぞれの品には神様の力が宿っています。

それをいただくことで、私たちの体内に力を取り込むことができるのです。

お米や塩ですから、毎日の食事の準備に使用することで、簡単にいただくことができます。

神棚にお供え物をする まとめ

お供えは、神様のお食事ですが、特別豪華な品を揃える必要はありません。

私たちが毎日必要とする基本的な品々で十分です。

出来る限り作法を守り、日頃の感謝を込めて神様に召し上がっていただく気持ちを忘れないようにしましょう。