パンパンと清々しく響く柏手(かしわで)の音。
お辞儀をして柏手を打つ姿は、神社にお参りする際には、つきものです。
頭を垂れる姿を拝(はい)と言いますが、神様の前だけではなく、日常的にも見られる姿ですね。
感謝の念などを抱いたときに、自然と行われるものです。
両手を揃えて柏手を打つことは、神様をお招きする、邪気を祓う、感謝の念を表すなどの意味を持つと言われています。
では、神棚でのお参りも、神社の作法と同じように行えば良いのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
神棚にお参りする
神棚へのお参りは、基本的には、毎朝おこないます。
朝食の前に、一家の主人や代表者がとりしきると良いでしょう。
まず、お供え物として「米・塩・水」の三つは、必ず準備しておきます。
お米は、洗米の状態でも、炊いたご飯の状態でもかまいません。
お供えをしたら、榊立ての水も交換しておきましょう。
お供えや榊の交換を、毎日おこなうことが難しい場合は、1日と15日を目安に2週間ごとに取り換える家庭もあります。
神様のご加護に対して感謝を伝えるためには、神社と同じく、二拝二拍手一拝でお伝えします。
この作法は、二礼二拍手一礼とも呼ばれます。
家族全員で感謝の気持ちをお伝えすることができればベストです。
全員そろうことが難しい場合は、一人ずつ可能なタイミングでお参りしてください。
無事に帰宅したあとや、就寝前にお参りをする人もいます。
また、特別の祝い事などがあった場合などにも、忘れずに神様に奉告すると良いでしょう。
もちろん、心配事を抱えたときや思わぬ喜びがあったときでもかまいません。
毎日の幸せや家族の無事を、神様に感謝することを忘れないことが大切です。
ちなみに、台所の神様である荒神様は、異なるお参りの作法があるので気をつけてください。
二拝二拍手一拝の作法
二拝二拍手一拝は、神様にお参りするための正式な作法です。
しかし、神社によって作法が異なる場合があります。
また、各動作の意味にも、さまざまな説があります。
ここでは、基本的な作法の手順と意味をご紹介します。
1、二拝する
神様への敬意を表すために、神棚の前で、深く二度お辞儀をします。
2、二拍手する
神様をお招きし、感謝を伝えるためです。
胸を高さで、右手と左手を少しずらして二度柏手を打ちます。
このとき右手が下がるようにします。
その後、指先を揃えて祈りを捧げます。
両手をずらした後、揃えることで、別々に分かれていた神様と人が一体となることを意味すると言われています。
祈りを通して、神様の力を得ることに繋がるのだそうです。
3、一拝する
最後に一度お辞儀をすることで、神様をお送ります。
神棚祝詞を奉上する
二拝二拍手一拝だけではなく、祝詞を奉上する場合もあります。
より丁寧に感謝の気持ちを伝えることができるためです。
この場合は、二拝した後に祝詞をとなえ、その後に二拝二拍手一拝という手順でお参りをします。
神棚祝詞
此の神床に坐す 掛けまくも畏き 天照大御神 産土大神等の大前を 拝み奉りて 恐み恐みも白さく 大神等の広き厚き御恵を 辱み奉り 高き尊き神教のまにまに 直き正しき 真心もちて 誠の道に違ふことなく 負ひ持つ業に励ましめ給ひ 家門高く 身健に 世のため人のために尽さしめ給へと 恐み恐みも白す
(読み)
これのかむどこにます かけまくもかしこき あまてらすおおみかみ うぶすなのおおかみたちのおおまえを おろがみまつりて かしこみかしこみももうさく おおかみたちのひろきあつきみめぐみを かたじけなみまつり たかきとうときみおしえのまにまに なおきただしき まごころもちて まことのみちにたがうことなく おいもつわざにはげましめたまい いえかどたかく みすこやかに よのためひとのためにつくさしめたまえと かしこみかしこみももうす