基本的に、神様の御分霊が座す神棚の上には、人が移動するようなスペースがあってはいけません。
平屋が多かった昔の日本であれば問題は少なかったのでしょうが、現代の住宅事情では、守れるケースの方が珍しくなっているのではないでしょうか。
狭い土地を活用するために複層階の建物が増えた今では、住宅であれ会社であれ、階上で人が活動することが多くなっています。
そこで、神様のお許しをいただけるようにと、新たな習わしが生まれました。
神棚の天井部分に「雲・空・天」といった文字を貼ったりすることで、神様と人が存在する空間を隔てるというものです。
どのように「雲」を準備するのか
では、神棚の上に貼る「雲」などの文字は、どのように準備すれば良いのでしょうか。
こちらは、神具店などで扱っている場合もありますし、神社でいただくこともできます。
また、自筆で作成したものでも大丈夫ですし、プリンターで印刷して使用することも可能です。
神様をお祀りすることの丁寧さで言えば、印刷よりも、心を込めて墨で半紙に書かれた文字を使用することをおすすめします。
濃い墨で、はっきりと書くようにしてください。
神棚の上の「雲」は、紙に書かれた文字だけではなく、板で作られた抜き字や、雲の絵といったものを準備する場合もあります。
神棚に取り付けられる雲板と呼ばれる彫刻もあるので、選んでみるのも一つです。
誰が「雲」の字を書くのか
「雲」の文字を書いて作成する場合、書く人についても決まりはあるのでしょうか。
結論から言うと、書く人間を指定するような決まりはありません。
誰が書いても自由です。
神社の神主さんに頼んでも良いですし、自分で書いたものでも構いません。
「雲」の文字も、できれば毎年の年末に新しいものと交換した方が良いので、その年に一番お世話になった方に書いてもらうのも良いのではないでしょうか。
誰が作成するにしても、神様への気持ちを込めて、丁寧に書いていくことが大切です。
どちらの方向に向けて貼るのか
準備した「雲」の文字を神棚の上に貼る際には、どちらの方向を向ければ良いのでしょうか。
「雲」の頭の向きについては悩んでしまいますね。
実は、こちらも特に決まりがあるわけではありません。
そのため、向きが違うからと言って、ご利益がなくなることもありません。
しかし、神棚に祀る神具の配置を見てみると、ほとんどが神様の側からの視点となっています。
「雲」の向きが気になる方は、神様から見て読みやすい方向に貼ると良いのではないでしょうか。
私は神様から見た向きで自筆で書いた雲の字を貼っています。
自分の字が気に入らない方は、便利な商品もありますので活用してみても良いと思います。