神様を祀る神棚と、仏様を祀る仏壇。
両方を祀っている家庭は、そう珍しいものではないと思います。
しかし、神棚と仏壇では、作法の勝手が違ってくるかもしれません。
どちらも揃えたいと考えている人のために、注意点をご紹介したいと思います。
神棚とお祀りの作法
神棚は、家庭内や職場などのための専用の神社と言えます。
神社の形を模した「宮形(みやがた)」に、神宮大麻や地域の氏神様の御神札を納めたものです。
神棚を祀るための作法は、地域や家庭によって若干の違いがあります。
絶対にこれが正しい、という方法があるわけではないので、それぞれの地域や家庭に準じた祀り方をすると良いでしょう。
基本的には、神様への毎朝の拝礼とお供えをします。
お供え物は、「米・塩・水」の三つが、必要最低限の品だと言われています。
仏壇とお祀りの作法
仏壇は、家庭の中のお寺、あるいはご先祖様の家と捉えられています。
御本尊を祀るための壇と、ご先祖を祀るための位牌壇が習合したものです。
中心部分に、ご先祖の位牌と信仰する宗派の御本尊を安置します。
御本尊の姿は、宗派によって異なります。
金属製や木製の仏像から、仏様の姿や曼荼羅(まんだら)を描いた掛け軸などのタイプがあります。
お祀りの作法も、宗派によって変わってくるので、それぞれの方法に合わせましょう。
基本的な仏具として、香炉・鈴(りん)・火立・花立・線香差しなどを準備します。
こちらも宗派によってさまざまな種類があります。
神棚と仏具は同じ部屋に安置できる
神道と仏教という宗教の違いから、神棚と仏壇を同じ部屋にしてはバチが当たるのではと心配する人も多いのではないでしょうか。
この点については、問題はありません。
同じ部屋でも大丈夫です。
日本には、神道と仏教が混ざり合う神仏習合という思想があります。
統一して扱うことは、決してタブーではないのです。
しかし、次の三つの点には注意してください。
向かい合わせてはいけない
同じ部屋でも、神棚と仏壇が向かい合わせとならない配置にしてください。
「対立祀り」という不穏な響きの祀り方となってしまいます。
神様と仏様が対立するようなことになってはいけませんね。
災いを招くという言い伝えもあります。
また、向い合せだと、片方にお参りするときに、もう片方に背を向けることになります。
背を向けることは、とても失礼な行為となるので、避けるようにしてください。
上下にしてはいけない
神棚は、基本的に高い場所へと安置するものです。
対して仏壇は、床の上に置くものですね。
同じ位置の上に神棚、下に仏壇を置くと、安置しやすく見えます。
しかし、絶対にやってはいけません。
仏壇の上に神棚があると、神様が仏様を踏みつける形となってしまいます。
これは、階をまたいでいても同じことなので、真上の部屋に神棚を安置するのも避けた方が良いでしょう。
仏壇を中心にしてはいけない
神棚と仏壇を並べて置く場合は、中心に仏壇をもってこないよう注意してください。
基本的には、中心に神棚、向かって右手に仏壇を置くと良いとされています。
主は神様であり、神様は陽の気を好みます。
そのため、神棚は、陽の気が発生する左手に、部屋の中心となるよう安置する必要があるのです。