「初穂料」に「玉串料」こちらの意味をご存知でしょうか。
初穂は、その年に初めて収穫された米のこと。
玉串は、榊の枝に紙垂(しで)をつけたもの。
どちらも、転じて「神様にお供えするもの」を意味します。
やむを得ない事情で神棚を処分する必要が出た時、「ご祈祷する」「御神札を返納する」「お焚きあげをする」といった3つの選択肢があります。
どの方法も、神社のお世話になるものです。
「初穂料」や「玉串料」は、感謝の気持ちを込めて神前にお供えする金銭のこと。
それぞれの方法に必要な金銭(費用)とは、いくらぐらいなのでしょうか。
「ご祈祷」に必要な費用は
神棚を処分するさいに、ご祈祷してもらう方法です。
昇殿(神社に入ること)で行っても良いですし、出張での祈祷を受け付けている神社もあります。
ご祈祷のあと、神棚のお焚きあげも希望する方は昇殿。
そのまま捨てて廃棄する予定の方は、出張という形もとれます。
ご祈祷の料金(費用)は、神社によって金額が異なります。
相場は3,000~12,000円といったところです。
金額の差は、条件によって変わってきます。
神棚のサイズ、当人が祈祷に立ち会うか、お焚きあげの有無など、申し込むさいに明確にしておきましょう。
出張を依頼する場合は、少し費用は高めとなります。
宮司さんの移動時間や祈祷の準備などもあるため、30,000円以上かかることもあります。
ご祈祷のあと、そのままゴミとして回収してもらう場合は、お住まいの自治体によりますが、数千円を超えることはないでしょう。
自治体によっては、神棚は対象外となっているケースもあるので、こちらも事前に確認しておきましょう。
ただし、神棚におまつりされている、御神札だけは、ゴミとして扱わないようにしましょう。
「御神札の返納」に必要な費用は
神棚の中におさめられている御神札を、神社にお返しにあがる方法です。
返納されたあとは、神社でお焚きあげをされて、天へとかえります。
御神札の返納は、年末年始や節分の時期に、持ち込むと良いでしょう。
古札を新しいものへと取り替える時期であるため、基本的に無料でお返しすることができます。
一部、気持ちで初穂料をお包みする神社もありますが、稀でしょう。
「お焚きあげ」に必要な費用は
ご祈祷をせずに、お焚きあげだけをする方法です。
浄火によって、お世話になった神棚を天にかえします。
お焚きあげの料金は、神棚のサイズによって変わってきます。
1社造タイプの小さなものですと1,000~3000円、3社造タイプのものですと、5,000~10,000円ほどが相場です。
自分でお焚きあげをされる方もいますが、消防法の規制があるため、適切な場所で行う必要があります。
費用を指定しない神社では
神社によっては、玉串料の額を指定していないことも。
「お気持ちで結構です」という返答をもらう場合がありますが、相場を考慮して包むと良いでしょう。
神社によっては神棚のご祈祷や、お焚きあげを受け付けていないところもあるため、事前に問い合わせておくようにしましょう。
また、「初穂料」や「玉串料」など、のし袋の表書きはどうするかなども、地域によって異なることもあります。
料金を確認するさいに、こちらも確認しておくと安心です。
専門業者に依頼する方法も
神棚の処分は、回収を専門に行なっている業者に依頼するのもひとつです。
さまざまな事情により、どうしても自分の手で処分できない場合に、依頼する方が多いようです。
「ご供養仕舞い専門業者」と呼ばれることもあるため、お住まいの地域の業者をチェックしてみると良いでしょう。
依頼者の希望に合わせて、「ご祈祷」「御神札の返納」「お焚きあげ」などの手続きも代行してくれます。
神棚のサイズや処分方法で料金が変わる点は同じですが、手数料などが必要なぶん、神社に依頼するよりも費用は高めです。
相場としては、神棚1社あたり10,000~30,000円ほどとなります。
仏壇の処分なども同時に行わなければいけない場合は、業者に依頼したほうが、余計な手間が省けるというメリットがあります。
評判の良さそうな業者を、いくつか選んで料金やサービスを比較してみましょう。
神棚の処分に必要な費用~祈祷・返納・焚き上げの相場をご紹介~ まとめ
さまざまな方法が存在する神棚の処分ですが、この多彩さは、神道特有のものです。
とくに業者へ依頼する際に、仏壇と神棚を同時に・・・という選択肢が存在すること自体、他の宗教では考えられないことでしょう。
どの方法を選ぶにしても、後悔しないよう、「自分の良心に従って」行えば良いでしょう。
神社で費用を指定されない場合でも、同様です。