神棚を祀ることは、神様に直接ご挨拶をする機会を得ることに繋がります。
家に神様をお迎えすることで、ご加護に触れるきっかけをいただくのです。
「苦しい時の神頼み」という言葉がありますが、いきなりお願いをしても、切実な願いが届くことは少ないのではないでしょうか。
朝に夕に、日々、神様にご挨拶をして向き合い、繋がりを築くのは大切なことです。
身近に感じるからこそ、声も届きやすくなるのは、人の世界でも同じですね。
苦しい時ほど神様のことを思い出しますが、神棚があることで、平穏な毎日でも欠かさずのご挨拶を続けることができます。
常に見守っていただけるよう心がけてみてください。
良い意味でも、悪い意味でも、きっとお天道様は見ているのです。
神棚の持つ意味
神棚の持つ意味について、もう少し詳しく見てみましょう。
一昔前では、家の中のあらゆる場所に神様が祀られていました。
台所を見守る荒神様、お手洗いには厠神様、井戸や玄関、納戸にも見守ってくださる神様がいらっしゃいました。
もちろん、家の中心は、天照大御神様と氏神様をお祀りする神棚ですね。
毎日の平穏な生活に密接する場所ばかりです。
大切な場所、大切な働きにこそ神様が宿ると考えていたのでしょう。
そして、それを意識することで神様との繋がりを保ってきました。
神棚を通し、神様と繋がり、見守っていただくことの感謝を伝えることができます。
そして、日々、感謝を伝えることで、人々の繋がりも生まれてくるのでしょう。
「おかげさまで」という気持ちを思い起こしてくれる、神棚には、そんな意味があるのです。
いつ神棚を祀るのか
初めて神棚を祀る、あるいは、神棚を替える時期の厳密な決まりはありません。
ですが、人生の節目や何かしらの転機が訪れたときなどに行われることが多いようです。
新生活を始めるときに
家を新築する、改築するといった時期に神棚をお祀りします。
また、結婚して、新居を構えるときなどにも行われます。
代替わりのときに
世帯や仕事などの代替わりのときも、神棚を替えることが多いようです。
新たな出発を見守っていただきます。
厄年や災難が続いたときに
災いが降りかからないよう厄祓いの意味があります。
また、不幸な出来事が続いたときなどにも災難を避けるために神棚を安置します。
年祝や慶事が続いたときに
家族にとっておめでたいことや、良い出来事が続いたときに行います。
感謝の気持ちを表すためです。
節目の年に
神棚をお祀りして5年目、10年目といった節目の年にも替えることがあります。
伊勢の神宮も、実際に20年に一度の頻度で遷宮されていますので、遅くても20年目までに新しくします。
神棚を祀る場所は
神棚を祀るには、清浄で明るく、目線より高い場所である必要があります。
ただし、目線より高いといっても、ドアや鴨居の上はお祀りするのに適切であるとは言えません。
人が出入りする場所は、避けた方が良いためです。
お供えをしたり、揃ってご挨拶したりしやすい場所であることも大切です。
神棚の向きにも注意が必要で、南向きか東向きに安置できるようにします。
また、2階建て以上の建物の場合、神棚の上を人が存在するのは良くないとされています。
人のいない疑似空間を設けるために、「雲」や「天」と書かれた紙を神棚の上に貼って対処してください。
家の中に神棚を設ける場合は、座敷が最も良いとされています。
しかし、現在の住宅事情では、座敷がない家もあります。
その場合は、居間のように、家族が集まる場所を選ぶと良いでしょう。
会社や事務所の場合は、人が集まりやすい中心部や、役職が高い人の席近くなどに安置します。
以前は、台所には荒神様、井戸には井戸神さまと、建物のあらゆる場所に神様をお祀りして、日々の暮らしをお守りいただくことへの感謝を示していました。
しかし、徐々にライフスタイルの変化から、建物の中心などに神棚を設けるようになりました。
お祀りするのも、総氏神様である天照大御神様と、地域の氏神様、そして崇敬している神様にとどめることが多くなっています。
どのような形でお祀りするにしても、日々、感謝と尊敬の気持ちを込めてご挨拶を欠かさないことが大切です。
神様を迎えるということ まとめ
古くから、神棚に神様を祀ることは人の生活と密接な繋がりがありました。
感謝の気持ちや願いが届くよう、繋がりを保っていきましょう。
人生の転機を迎えたら、思い切って神棚を準備してみると良いかもしれません。