神棚に神様をお祀りする際には、それぞれの序列に注意する必要があることはご存知でしょうか?
御神座に納めるには、守った方が良い決まりがあるのです。
まず、宮形の造りが、縦に御神札を重ねる一社宮か、横に並べる三社宮や五社宮かで決まりが変わってきます。
縦に重ねる場合は、一番手前に伊勢神宮の神宮大麻がくるようにします。
その後ろに氏神様、崇敬する神社と続くように御神札を重ねていきます。
横に並べる場合は、伊勢神宮の御神札が中央にきます。
向かって右側の扉に氏神様、左側に崇敬する神社となるよう納めていきましょう。
神様は本当にケンカするのか
日本には八百万の神と言うほど、さまざまな神様が存在します。
その数の多さもあってか、神様の御分霊である御神札は、ケンカを避けるために一緒にお祀りしてはいけないと言われることがあります。
実際に、日本の神話が記された「古事記」を紐解いてみても、神様の争いに纏わる話がみられます。
「アマテラスとスサノオの誓約」では、高天原に昇った須佐之男命を、自分が治める地を奪いにきたと思った天照大御神が、武具を携えて迎えたと記されています。
では、やはり神棚ではケンカしてしまうのか?と心配してしまいますが、そのようなことはありません。
人知を超えた存在であるため、ケンカという次元の低いおこないはありえないことです。
神様の異なる御神札を、一緒にお祀りしても大丈夫です。
ただし、無遠慮に扱うという失礼もできないため、祭り方の正しい順序を知っておくことは大切です。
祈祷札や稲荷様を祀るには
御神札とは別に、「祈祷札」という特別な祈祷を受けた札があります。
「○○祈願祈薦神璽」などと書かれ、祈祷を申しこんだ人の名前が添えられてあるものです。
こちらをお祀りする際には、宮形の扉の中には納めず、外側に立てかけるように安置します。
また、お稲荷様をお祀りする際にも、注意が必要です。
どのような御神体でお祀りするかによって事情が変わってきてしまうためです。
御神体が御神札であれば、他の神様と一緒に宮形にお祀りすることに問題はありません。
しかし、御神体が桐の箱に入った御霊であった場合には、別々にお祀りする必要があります。
同じ棚の上に、他のお宮を準備するか、もう一つ神棚を安置してお祀りしましょう。
お稲荷様のための専用のお宮もあり、鳥居や眷属神である神狐の像といった専用の神具なども揃えることができます。
神棚の祀り方について詳しくはこちら
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